回折格子による干渉現象についての実験を行います。
透明な板の片面に
今回の実験では
回折格子に刻まれた溝は非常に細く、一見ただの透明なシートに見える。 上の写真は、白色LED を撮影したものであり、 下のものは回折格子シートを通して撮影したものである。 実像に加え、回折格子によって生じる虹色に分光された虚像を確認できる。
レーザー光を回折格子に通してみると、なにが起きるだろう? 回折格子を通過した後のレーザー光の軌跡を「エアロゲル」をつかって確認してみたものが上の写真である。 レーザー光を左から入射する。 画面左端に設置された回折格子により、レーザー光が複数の線に分かれることが分かる。 直進する最も明るい線に加え、上下に同じ角度で線が分かれる。 注意してみると、上側にはさらにもうひとつ分離した線を確認できる。
レーザー光の様に波長・位相が揃った波は、 回折格子による干渉によってある決まった角度のみ進むことができる。 干渉条件を満たさない角度には光は伝わらない。
全体的な光の拡散や、中央での屈折はアエロジェル内での乱反射、容器壁面等の影響による。
二重スリットの場合と同様、光路差が波長の整数倍となる時に回折光は互いに強め合う。
回折格子の隣り合う二本のスリットで、干渉条件を考えてみよう。
角度
格子間隔
光路差が波長
光の波長
緑・青色レーザーも、赤色レーザー同様に複数の線に分離する。
回折格子の干渉条件は
赤・緑・青色レーザーによる干渉の違いを見比べて、角度と波長の関係を確認してみよう。
レーザー光の干渉の様子からも確かめられるように、波長の違う光は回折格子によって異なる方向に曲げられる。 LED等のように色々な波長成分を含む光を回折格子を通してみる場合を考える。 入射光の大部分は直進するが、一部は干渉条件を満たす方向に曲げられる。 波長の長い赤色成分はより外側に、短い青色成分は内側に曲がる。
回折格子を通して光源を見る場合、 直進成分(実像)に加えて、干渉によって曲げられた光も同時に見る。 回折格子での屈折を認識できないので、 人間は光源とは別の場所からの光として認識する。 その結果、実像に加えその隣に虚像が現れる。 色・波長によって屈折の度合いが異なるため、 虚像は色によって現れる場所が分かれる。
この仕組を活用したものとして、回折格子を利用した「分光器」がある。
回折格子をつかい、レーザー光による干渉縞を観察する。
干渉縞の間隔
第一明線の干渉条件は、光路差が
格子間隔
レーザー光の回折の様子から分かるように、ヤングの実験とは異なり干渉縞は大きく広がる。 ブックスタンドに取り付ける前に、手元でレーザー光を回折格子に通して広がりの程度を確認しておく。
第
回折格子はマグネットシートに貼り付けられているので、 そのままブックスタンドに取り付けられる。
スリット・スクリーン間距離
垂直に入射されていれば、
第一明線までの距離
なぜ後者の測定のほうがより精確な測定となるか、考察してみよう。
より精確に
関数電卓には
数値計算を簡略化し、計算ミスを避ける工夫をすることも実験には重要な要素である。
課題1では格子間隔が既知の回折格子を使い、レーザー光の波長を決定した。
次は、得られた波長
CDのレーベル面を剥がした所をとおしてLEDの光を見てみると、 分光された二つの虚像を確認できる。 回折格子を通してみたものとよく似ている。
データ面で光を反射しても同様な観測ができるので、 身の回りに CD もしくは DVD があれば試してみよう。
CDの記録面には、中心をディスクの中心とする沢山の円(トラック)が、
およそ
CD は同心円状の多数の溝によって構成される回折格子と考えることもできる。
CDの構造に関する説明
回折格子により決定したレーザーポインターの発光波長
回折格子のかわりにCDによる干渉縞の第一明線間隔
もしくは
回折格子の格子間隔
CDのトラックは円周に沿っているので、回折格子と全く同じ様に設置するのは難しい。
第